考えないようにしようと思っても、ホントはそう思うことすらできなくて、つまり当然君のことばかり考えてしまいます。人を好きになることに抵抗を覚えるのは初めてかもしれません。好きな人がいることがこの上ない幸せだと考える僕には、珍しい感情です。だれかがこの感情を咎めることも、好きになっちゃいけない理由も何もないのに、何故か心が迷います。やっぱり、好きになっちゃいけない気がしています。どうしたらいいのかわかりません。
でも、夢を見ました。
言うまでも無く、君の夢です。君は僕の腕の中で笑ってくれました。君は僕の頭に腕をまわしてくれました。懐かしい、幾年か前のことを思い出します。君は僕を憧れだと言ってくれました。今でも、そう思ってくれているのでしょうか。君の細い髪を撫でた日々を覚えています。君は眠そうでした。その柔らかな感触が、いまだに僕は忘れられません。
もう、いいでしょうか。
本当に君を好きになっても、いい頃でしょうか。
それが僕には許されるでしょうか。それほどまでに君を想うことができたでしょうか。
君を想うことが、誰よりも君を想うことが僕にはできているのでしょうか。
もう、隠すのは嫌なんです。
君とあの日のように肩を寄せ合って、まどろみたいのです。
僕がまだ、君を好きじゃなかった日のように、君と笑いあいたいのです。
僕にはそれが許されるでしょうか。
君を好きになってしまった僕に、またあの日々を過ごすことを許されるのでしょうか。
君を本当に好きになっても、いいでしょうか。
次に会ったら、隠すのをやめよう。
自問したってしょうがないし、ましてや君は答えられないのだから。
次に会ったら、僕は笑って言おうと思う。
「一緒に遊ぼう」って。
好きなんだから、しょうがない。
たつや@fiction or nonfiction?